腸内細菌改善試験

腸内細菌改善作用検討試験

最近の調査および研究の進展により、良好な腸内環境を維持することは、大腸がんや肥満といった食習慣に関係が深いリスクを低減させる上で重要であることが明らかになってきています。

糞便からのDNA抽出方法

腸内細菌叢の検査は、糞便中に生息する腸内細菌の遺伝子情報から行います。
具体的には,糞便から腸内細菌のDNAを抽出し、各種検査へと供します。

弊社提携検査実施施設の、株式会社栄養・病理学研究所では、QuickGene DNA tissue kit S(倉敷紡績株式会社製)キット(次世代シーケンサーを用いた菌叢網羅解析でも良好な結果を示しました)を用いてのDNA抽出を標準法として採用しています。

抽出法の詳細は下記に公開されております。
https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/equipment/docs/00006_app_quickgene15.pdf

uickGene DNA tissue kit S以外でのDNA抽出法、例えばフェノール/クロロホルム法などの抽出法につきましても実施可能です。

リアルタイムPCRを用いた菌数測定

糞便からのDNA抽出後、リアルタイムPCRを実施します。

弊社提携検査実施施設の株式会社栄養・病理学研究所では、キアゲン社製のRotor-Gene Qを採用し、菌数測定を行っております。

また、結果に大きな影響を及ぼすtaqポリメラーゼは、タカラバイオ株式会社製のTaKaRa Ex taqを採用。検量線用に当該菌の標準株を購入し、実菌数を測定後、同様のDNA抽出を施し、検量線を作成します。結果は糞便1g当たり菌数(cells/g)として提出されます。

ビフィズス菌数、乳酸菌群数、大腸菌数、総菌数、ウェルシュ菌数は常時実施できる態勢を整えており、ご要望に応じて、他の腸内細菌でも菌数測定が対応可能です。

次世代シーケンサーを用いた菌叢網羅解析

弊社提携検査実施施設の株式会社栄養・病理学研究所では、イルミナ社製のMiseqという名称の次世代シーケンサーを用いて分析を行っています。イルミナ社では,Miseq利用時のDNA抽出液からのサンプル調整についても推奨するプロトコルが公開されていますので、下記プロトコルに準拠して前処理を実施します。

  1. 16S rRNAのV3-V4領域をKAPA HiFi DNA Polymerase(日本ジェネティックス製)でPCR増幅し、NucleoFast 96 PCRプレートを用いた精製を実施。
  2. シーケンスアダプターを付与するために2回目のPCRを実施。PCR反応液を用いてAMPureXPビーズを用いた精製を行い,シーケンサーへロード。
  3. シーケンス終了後、クオリティチェックを行い,遺伝子配列の相同性で便宜的な集団(OTU, operational taxonomic unit:97%以上を基準)を作成後,各OTUの遺伝子配列から同定作業を実施
    (https://support.illumina.com/content/dam/illumina-support/documents/documentation/chemistry_documentation/16s/16s-metagenomic-library-prep-guide-15044223-b-jpn.pdf)

結果は、菌占有率を示したエクセルファイル(図1参照)提出します。
また、α多様性解析結果(図2参照:α多様性解析結果一例、Chao1)、β多様性解析結果(図3参照:β多様性解析結果一例、unweighted主座標分析)と共に機能予測解析(PICRUSt)の結果も提出します。

なお、症例固定のために菌占有率のエクセルファイルのみ先行で結果をお返しした後、キーオープン後に判明する群編成で再解析を実施するサービスを行っております。

図1
図2
図3

対象となる被験者(例)

  • 20歳以上80歳未満の男女で、排便回数が週3~5回の者
  • Bifidobacterium数、及び総菌数に対する割合が少なく、ばらつきが小さかった者
  • 食事を通常3食、規則正しく摂取している者
  • 便秘に良いとされる健康食品摂取を試験期間中に止めることができる者

試験スケジュール(例)

プラセボ対象ランダム化二重盲検平行群間比較法

プラセボ対照ランダム化二重盲検クロスオーバー法

被験者日誌内容(例)

試験食品の摂取状況、排便回数、便の性状、腹痛、悪心、嘔吐、放屁等消化器系の症状の有無、下剤使用有無、食事摂取回数、飲酒の有無、健康食品・乳酸菌類等の摂取の有無を前観察期~摂取終了日まで毎日記載

※被験者日誌はWeb版での対応も可能です。

便に関する検査内容(例)

  • pH、水分量、アンモニア
  • リアルタイムPCR:総菌数、Bifidobacterium、乳酸菌
  • 有機酸物(酢酸、プロピオン酸、イソ酢酸、n酪酸、イソ吉草酸、n吉草酸、乳酸、コハク酸、ギ酸、)イオン排除HPLC
  • 腐敗産物量(インドール、p-クレゾール、スカトール)GC-MS
  • 次世代シーケンサー測定

検査実施施設

株式会社 栄養・病理学研究所

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