認知機能検証試験
加齢による認知機能改善といっても、ただ物忘れが改善されるという単純なものではなく、短期(長期)記憶の改善、言語記憶の改善、視覚記憶の改善、注意力の持続が長くなる、作業を行う速度が速くなる、論理的な思考ができるようになる等、様々な機能が含まれるため、各々の改善にあった検査が必要となります。
認知症とは
認知症とは、認知機能が後天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態です。認知症は患者本人のQOLを低下させるのみならず、社会全体の介護負担を非常に大きなものにするため、認知症の予防・改善は大きな課題となっています。認知機能を測定し、食品摂取による認知機能維持・改善作用を検証できます。
認知機能とは、五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)、前庭感覚(平衡感覚)、固有受容覚(手足の位置を感じる感覚)などの「感覚」を受容していく機能と定義します。
認知機能の分類方法にはいくつかの種類がありますが、一例として次の5つに分類する方法があります。
記憶力 | 「ものごとを覚えておく」ために必要なカのことを言います。 |
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言語能力 | 相手が話している言葉や書いてある文字を理解する、言葉を用いて意志を伝える、といったときに使うカを言語能力と言います。 |
判断力 | 一般的に「ものごとを決定するカ」という意味で使われることが多いです。年月日や自分の状況を把握する「見当識」やひとつのことに集中する「注意力」など、複数の認知機能が合わさったものです。 |
計算力 | 理解し計算するカのことを言います。衰えると、買い物をしても出すお金を計算できなかったり、時計を見てうまく時間配分ができなかったりと、さまざまな支障が出てきます。 |
遂行カ | 人は、仕事や家事をする際、頭の中でどのように進めるか順序立てをします。 |
厚生労働省によると、認知症は今や65歳以上の7人に1人以上がかかっているといわれ、高齢者人口の増加とともにさらに増える可能性があるとされています。
認知症の予防には、日頃から脳の健康状態を良い状態に保つこと。認知症で低下しやすい機能を鍛えておくことが重要とされています。
具体的には、「適度な運動」。家事や趣味、社会活動などの「知的活動」。「十分な食事と睡眠」といったことが認知症の予防に良いとされています。
認知機能検査
検査方法
Cognitrax
記憶力・注意力・処理速度・実行機能など広範囲の機能領域を測定し、結果は数値化され、年齢標準値との比較で示されます。個人の値を経時的モニターすることにより記憶力や認知機能の変化を見つけることが可能です。
(cognitrax紹介資料より)
MMSE (Mini-Mental State Examination)
スクリーニング検査で使用しますMMSEは国際的に最も広く用いられており、感度、特異度、簡便さ、これまでのデータの蓄積量から最も推奨されています。
(日本神経学会 2012年ガイドライン 認知症の判断より)
MoCA (Montreal Cognitive Assessment)
MoCAは軽度認知機能障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)を検出するためのスクリーニング検査として開発されたものです。視空間・遂行機能、命名、記憶、注意、復唱、語想起、抽象概念、遅延再生、見当識をみることができます。
(日本離床学会 Websiteより)
TMT (Trail Making Test)
TMTは、視覚探索や処理速度、注意やセットの切り替えの柔軟性、ワーキングメモリといった能力が求められる課題です。
(2012 眞田 Trail Making Test 指標の発達的変化の検討より)
SF-36
健康に関連する36の質問、8つの下位尺度からQOLで評価します。身体的側面は身体的機能、日常的役割機能(身体)、体の痛み、全体的健康感、精神的側面は活力、社会生活機能、日常的役割機能(精神)、心の健康が含まれます。
(iHOPE international社Websiteより)
モデルケース:プラセボ対象ランダム化二重盲検平行群間比較法
対象となる被験者(例)
- MMSE検査結果が24点以上29点以下の中高年者
- MCIの者
- 高齢者鬱に罹患していない者
試験スケジュール(例)
スクリーニングで選択された被験者80名に、半数の40名は被験食品を、残り半数は対照食品を12週間摂取させ、各種認知検査を実施する。
検査内容(例)
主要評価項目(例)
- 各種認知機能バッテリー
- Cognitrax
- POMSⅡ
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